朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「うまそうに見えるな」
「どうぞ……」
それを食べたら、あなたは天国行きよ。ううん、地獄かもね。
彼の指が唇に近づいていく。それをドキドキしながら見守っていると……。
「いや、やっぱり後にしよう。先に本題に入らせてもらう」
エドガーは焼き菓子をお皿に戻してしまった。食べないんかーい!
「お前、腹が減ったなら食っていいぞ」
「は!? 絶対要りません!」
全力で拒否してしまい、しまったと思った。かなり不自然だったよね。
「だ、だってほら、こんな夜中に甘いものを食べたら太ってしまうし……」
「別にいいんじゃないか。お前、痩せてるよ。初対面の時にそう思った」
初対面の時って、着替えの途中で狼の群れに襲われたあの時よね。はしたない格好を見られてしまったことを思いだし、頬が熱くなる。
「まあいいや。とにかく座れ」
隣の席をぽんぽんと叩かれ、しかたなくのろのろとそこに座った。
「どうして勝手に宮殿を抜け出したりしたんだ。俺の仕事ぶりを見たかったなんて、本当は嘘だろう?」
「どうしてそう思うんですか?」
「お前は敵国の復興状態なんて、どうだっていいはずだ。俺との結婚だって望んだものじゃない。そんなに俺に興味があるわけない」