朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
そういうエドガーの顔は、少し寂し気だった。どうしてそんな顔をするの? 誰にでも愛される容姿と、外面の良さを持ち合わせているのに。どうして、他人が自分に興味を持つはずないなんて思うんだろう。
「そんなこと……ないです」
お互いの祖国が敵国同士でなければ。普通の結婚で、普通に夫婦になれるものなら、私はあなたに興味を持ったはず。もっとわかりあいたいと思ったはずだ。
「……まあ、そんなことはいい。とにかく、あまりこの部屋から出ないでほしい」
「それはどうしてですか。夫婦になるのだもの、親戚になる皆様に挨拶もしていないし、この国のことを何も知らないのもどうかと思うんです」
「のんきなやつだな、お前は」
質問をする私の言葉を聞きながら、エドガーはお茶をすすった。
「何度も言うが、ここはお前にとって元敵国だ。ということは、この国にとってお前は元敵国の王女だ」
それくらいわかっていますけど。厳しい目で私をにらむように見るエドガー。
「優しいように見えても、心の底ではお前のことを良く思っていない人間がうようよしてるってことだよ」
「はっ……」
「さすがに政略結婚の重要さをわかっている王族や貴族は軽々しく手を出すことはしないだろう。けど国民は別だ。先の戦争で家族や大事な人を亡くした人たちがたくさんいる。逆恨みされたって文句は言えない」
「そんな」