朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


そんなの、お互い様じゃない。私だって、お父様をシャイレンドルフ兵に殺されているのに。


「今度の結婚の儀で両国の和平のための結婚だってことをじゅうぶんアピールしてからでないと、お前の身が危ないんだ。わかるだろ」


結婚の儀で私が王妃になることでもうアミルカがシャイレンドルフに危害を加えることはないのだと知らしめたいってことね。

そっか……。この部屋に閉じ込めておくのは、私を危険から守るためなんだ。意地悪なように思えたけど、エドガーは色々と考えてくれていたんだ……。


「せっかく結婚するんだ。俺だって、冷え切った結婚生活を送りたいとは思ってない。お前にも、できるだけ快適にこの国で暮らしていってほしいと思っている」

「はあ」

「少しずつでも、夫婦らしくなっていければいいと思ってる」


そう言ったエドガーの目にはもう厳しさなんて微塵もなくて。ただ青く透き通った瞳に自分が写っていることに気づいて胸が跳ねた。


「そ、そう思っているなら、どうして意地悪するのですか」


心の中まで見透かしてしまいそうな青い瞳から目を離す。


「ああ……そういう性格なんだよ。素直じゃないんだ」


かちゃりとティーカップをソーサーに戻したような音がした。


「可愛い子には意地悪したくなるんだよ」


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