朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


ルーシアに急いで見た目を整えてもらい、朝食会が開かれる広間へと向かう。

さて、どういう展開になるのかしら。伯爵の言う通り、国王暗殺未遂の罪で捕まるとして、そのあとは?

牢獄に入れられるのかしらん。それとも、すぐに首をはねられたりして。うっかりリアルな想像をしてしまい、背筋が震える。


「伯爵、やっぱり逃げようかしら」

「は? ここまで来て?」

「だって怖いじゃない」


格好つけて堂々と敵の前に出ていこうなんて思ったけど、殺されるのはやっぱり嫌。痛いのも無理。人を殺そうとしておいてこんなこと言うの、どうかと思うけど。

扉の前でもめはじめた私と伯爵の後ろから、ごほんと咳払いが聞こえた。びくりとして振り返ると、そこには正装の白い軍服を着たエドガーが。

やっぱり。夢じゃなかった。毒入り菓子を食べたのに、エドガーは全然平気な顔で立っている。

伯爵の顔から血の気が引き、唇まで真っ青になる。きっと私も同じような顔色をしているんだろう。

ルーシアが急いで後退し、深く頭を下げる。それを見て自分も挨拶しなければと思った時、エドガーが先に口を開いた。




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