朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
ゆっくりと進むと、ラッセルがにこやかに手を振ってくれる。けど、ここで振り返すわけにはいかないので口角を上げて笑って答えるだけにした。
「あいつと顔見知りなのか」
小声で尋ねてくるエドガー。
「ええ、昨日偶然厨房でお会いして」
「次からは相手にするな」
えっ? 相手にするなって……無視しろってこと? そんなことできるわけないじゃない。
反論する前に席についてしまった。他の王族や大臣が座っている中央の長い机の先に私とエドガーの席がある。
「皆、座ってくれ」
王に言われ、皆が席につく。ボートレイト伯爵は末席に案内され、真っ青な顔で座った。
「紹介が遅くなってすまない。先日アミルカから我が国に来た、ミリィ王女だ」
朝の挨拶もせずにいきなり私の紹介を始めるから、慌ててしまう。とりあえず作り笑いを浮かべ、頭を下げた。
列席者の中には笑顔で私を見つめる者も、敵意を持った目で見る者もいる。ラッセルは机に肘をつき、にやにやとした顔でこっちを見ていた。
「さあ、朝食を始めよう。私や王女に聞きたいことがあれば遠慮なく言ってくれ」
エドガーが合図をすると、次々に朝食が運ばれてきた。スープやサラダ、お肉やチーズ、卵と何種類ものパンが所狭しと並べられる。
王族や大臣たちは、それぞれ話をしながら朝食に手を伸ばす。