朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
『エドガー王を殺しなさい、ミリィ』
『へ……!』
『あっちも先代国王が亡くなって即位したばかり。また王が亡くなれば、敵国は混乱するに違いない。そこにまだ残っている我が国の兵を集結させて叩き潰す』
お母さまはテーブルを拳で殴りつけた。ドンと大きな音がして、ビクッと肩が震えた。
お父様が破られて我が国が降伏した四日後、あちらの国王も亡くなったのだという。それがもう少し早かったらこの戦争の結末ももう少し変わったのかもしれない。そんなこと今さら言ったってどうしようもないけど。
『あなたたちの結婚式のために、多くのシャイレンドルフの兵が敵国に戻るわ。その間に、私たちは秘密裏で進撃の準備を進めておきます』
『あう……』
『いいこと? アミルカ王家の誇りをあなたに託すわ。絶対に国王を暗殺おし。成功したらすぐに逃げるの。そのために兵士をシャイレンドルフに少しずつ送り込んでおくわ』
暗殺だなんて。そんな、おっかない。私、虫も殺したことないのに。
躊躇していると、お母様がそっと私の手を両手で包む。その目に涙が浮かんでいるのを見て、ハッとした。