朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
色々と考えてしまうと、元々なかった食欲がますますなくなってしまった。思わず小さなため息をつくと、すぐ近くから声をかけられた。
「なんだか憂鬱そうだね、王女さま」
ハッと顔を上げると、ラッセルがいつの間にか直角になる席に座って、肘をついてこちらを見つめていた。
「マリッジブルーってやつかな?」
「い、いえ、そんなことは」
「ラッセル、口の利き方に気をつけろ。この人は王妃になる人だ。お前の義理の姉でもある」
エドガーは馴れ馴れしいラッセルをたしなめるように言った。義理の姉。エドガーと結婚したら、私はラッセルの姉になるのね。
「でも、可哀想だな。こんなに可愛いのに、敵国に無理やり嫁がされて。アミルカが勝っていたら、敵国の王なんかと結婚しなくて良かったのに」
ラッセルはエドガーのお説教なんて全然聞こえていないみたい。返事もせずに私にばかり話しかけてくる。しかも、返事に困るんだけど。
険しい顔をしているエドガーに、ラッセルは笑顔のまま言った。
「なあ兄上、王女を俺にくれないか」
「なんだと?」
くれないかって……え? なにそれ。まるで人をモノみたいに。