朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「両国の友好のための結婚なら、王族の俺でもいいはずじゃないか。そして兄上は、ここにいる王族や大臣みんなが納得する相手と結婚すればいい」
それって、やっぱり敵国の王女を王妃として迎えることに抵抗がある人がいるってことだよね。再確認してしまい、気分が重くなる。
「いや、ミリィは他の誰にも渡さない」
きっぱりと答えるエドガーの声に耳を疑った。そちらを見ると、エドガーがラッセルに向かい、不敵に笑っていた。
「私はこの勇気ある王女が気に入った」
ラッセルの顔から笑顔が消えた。ハラハラした顔で周りの人たちが次のエドガーの言葉を待っている。
勇気あるって、エドガーのことを暗殺しようとしたことを言っているのかしらん。じっと見つめると、エドガーはふっと薄く笑い、私に顔を近づけた。そして、ごく小さな声で囁く。
「できるものならやってみろ、ミリィ。楽しみにしてるからな」
やっぱり。暗殺のことを言っているんだ。
昨夜の失敗が思い出される。エドガーは自分が殺されることなんてないと思っているんだろう。だから楽しみだなんて言えるんだ。
完璧になめられてる。悔しくて、キッと睨みつけた。けれど私の丸いタレ目でどれだけにらんだって、効果はないようで。