朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


口々にお世辞を言う大人たち。ラッセルはいつの間にかにやにや顔に戻っていた。何も言わず肩をすくめるポーズだけして、朝食の続きを始めた。


「首まで赤くなって。可愛いやつだな」


エドガーは軽く肩を抱いたかと思うとそんなことを言う。

な、なんなのこの人。最初はめちゃくちゃ意地悪だったのに、いきなりキスしたり可愛いなんて言ったり。

きっかけはあの毒入り菓子よね。もしかして、死にはしなかったけど頭がおかしくなっちゃったのかしら?

ああ……なにがなんだかわからないけど、たしかなことがひとつ。

お母様、私結婚もしていないのに人前で初めてのキスをされてしまいました。しかも、敵国の王に。

がっくりと体中から力が抜けていく。そのままイスごと倒れてしまいそうだったけど、エドガーに肩を抱かれたままだったのでそうはならなかった。魂だけ、ふわりと体から抜けていっていってしまいそうな、そんな気がした。


< 63 / 230 >

この作品をシェア

pagetop