朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令

「な、なんでしょう」

「このあと何かご予定はございますか?」


あるわけないじゃない。囚われの身も同然の身の上で、エドガーには勝手に城の外に出ないように言われてるんだもの。

横に首を振ると、センテムはごく真面目な顔のままうなずいた。


「では、是非練兵場にいらしてください」

「練兵場?」


それって、兵士たちが剣や弓の訓練をする場所よね。そんなところで一体なにがあるというの? はっ、まさか。そこで弓の練習の的にされるんじゃあ……。

悪い想像をしている私をよそに、センテムは続ける。


「次期王妃様に親衛隊のメンバーの紹介をしておきたいのです」

「はあ」


そういえば、私が狼に囲まれた時も親衛隊が助けてくれたっけ。きっと彼らは王妃を守る役目も負っているのだろう。だから顔を覚えていた方がいいってことね。


「そうそう、今日は国王陛下も訓練に参加されますよ」

「えっ……」


そうなんだ。エドガーが……。これは断ったら変な空気になるパターンだよね。


「わかりました。では後程、練兵場で」


承諾すると、センテムは一礼して廊下を逆に戻っていった。


「はあ……」


ここにいると、いちいち緊張するわ。

それにしても、どうしよう。今後の見通しが全く立たない。昨夜毒殺が成功していれば、すんなり……とはいかずとも、アミルカに帰ることができたのに。


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