朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令

同じように観念したのか、がっくりと肩を落とすボートレイト伯爵。あのゴミ箱に食べ残しを入れたことを悔やんでいるんだろう。


「はは……顔が真っ青だ。素直な刺客だな。お前たちみたいな善人二人じゃ、あの国王は絶対に殺せない」


何が楽しいのかわからないけど、ラッセルは笑っていた。私は伯爵と寄り添い、何とか支え合って立つ。

笑い声が止んだと思うと、ラッセルは小さく息を吸って、再び小さな声で囁きかけてくる。


「なあ……俺が協力してやろうか?」

「……は?」


協力……ですって? このひと、何を言っているの?


「俺がお姫様たちの仕事の手伝いをしてやろうかって言ってるんだよ」


それって、私たちの暗殺の手助けをこの人がしてくれるってこと?


「どうしてそんなことを言うの? あなた、国王の弟でしょう」


弟が兄を殺そうとするなんて。


「だからさ。兄がいなければ、俺が国王だ。そしたらお姫様は、俺の妃になる」

「そんな」

「俺は兄が気に入らない。それでもって、お姫様のことは気に入ってる」


そんな。自分のお兄さんが気に入らないだなんて。継承争いで憎み合う兄弟がいるとは聞いたことがあるけど、まさかエドガーとラッセルも犬猿の仲なの?

そう言えば、エドガーは私にあまりラッセルに近づいてほしくなさそうだった。やっぱり仲が悪いんだ。


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