朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


他の親衛隊よりもかなり身軽な、皮でできた胴当てやグローブを付けた、白い軍服とマントのエドガーだ。いつも腰に付けている剣を今日も持っている。

彼が現れると、練習試合の審判をしていたセンテムが親衛隊に合図を送る。すると親衛隊はびしっと直立してエドガーに向かった。


「そのまま続けて。遅れて悪かった」


エドガーが言うと、練習試合が再開された。やっぱり、国王ともなると、自分では汗を流したりしないものなのかしら。

彼は兵士たちの方ではなく、こちらに向かってくる。試合、見なくていいのかしら。


「どこのお姫様かと思ったら。ああ、座ったままでいい」


立ち上がって挨拶しようと思ったけど、先に止められてしまった。エドガーは立ったまま座った私を見下ろす。


「センテムが招待してくれたの」

「へえ。招待したわりに、もてなしが不十分だな」


近くにいたルーシアとボートレイト伯爵に、飲み物と食べ物を用意するように指示すると、エドガーは親衛隊のひとりひとりを指さし、名前を読み上げる。


「あの眉毛の太いのが、ボネタ。全身毛が濃くて鼻毛もちょっと出てる」

「ぷっ」

「横のフリードは剣は強いが、ロマンチストだ。星座や神話に詳しい」

「へえ」

「今負けたロベンダーは、ママが大好き。いまだに実家に帰るとママと同じベッドで眠るとか」

「まああ」


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