朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「親衛隊の皆、彼女が次期王妃となるミリィ王女だ。俺だけでなく、これからは王妃の護衛もよろしく頼む」
そっか、皆に紹介してくれるのね。きっとこれで訓練は終わりね。
にこにこと微笑んで会釈をする。親衛隊の皆はありがたく歓迎ムードで、笑顔の者が多かった。
さあ、部屋に帰りましょう。いい加減暑くなってきた。エドガーに暇を告げようとしたその時。
「しかしミリィ、もしものときは親衛隊の助けが間に合わない場合もある。そんなときのために、自分の身は自分で守れなければならない」
「はい?」
いきなり何の話? 何度も瞬きをして見つめると、エドガーはにやりと意地の悪い顔で笑った。
「なあ? 国王でも突然命を狙われることがあるだろ。それも、虫も殺せなさそうな顔をした一見無害な相手にな」
それって……私のことでしょ。一気に全身を緊張が駆け抜ける。
「というわけで、あなたにも少し剣の手ほどきをしよう」
「手ほどき?」
それって、エドガーが私に剣を教えてくれるってこと? 立ち尽くす私に、エドガーが腰に付けていたベルトから皮の鞘に収まったままの剣を外してこちらに差し出す。
それはエドガーたちが持っている物よりかなり小ぶりな、お肉を切る大きな包丁くらいの長さの短剣だった。