朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


どくんどくんと、心臓が激しく脈を打つ。

覚悟なさいませ、国王陛下。あなたのお命、頂戴します。

ゆっくりとベッドサイドを移動し、エドガーに近づく。

この胸にナイフを突き立てれば、役目が果たせる。

その後のことは知らない。考えないようにしよう。

愛するお母様のため。アミルカ王家や、国民のため。国の誇りのために。

気づかずに眠り続けるエドガーの胸の上に、ナイフを近づける。柄を握る右手が震えないように左手を添えた。

ためらわないで。心臓を狙って、思い切り突き立てるのよ。

心臓が口から飛び出そうなほど緊張している。嫌な汗が全身をじっとりと濡らす。

苦しませないように。確実にやるのよ。

ぐっとナイフを持つ手に力を入れる。一度それを頭上に上げ、思い切り振り下ろした。彼の心臓をめがけて。しかし。


「……く……っ」


鋭い切っ先がその肌に触れる直前、手が動かなくなってしまった。まるで、魔法にかかったかのように。

ううん、これは魔法でもなんでもない。私が自分の動きを止めてしまっただけ……。

ふらりと後退し、腕を下ろす。背中に押された天蓋が揺れ、脱力した手からナイフが落ちた。

殺せない。私は、彼を殺せない──。


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