朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「……どうした。やらないのか」
声がした方を驚いて見ると、エドガーが横になったまま目を開けてこちらを見ていた。
気づいていたのね。だけど、逃げなかった。どうして。
「あなたこそ。どうして……どうして逃げたり反撃したりしないの」
自分の声が震えていた。膝からも力が抜け、エドガーの横に跪く。
「かまわないから」
「なんですって?」
「俺は、お前になら殺されてもいい」
エドガーは横になったまま体をこちらに向け、綺麗な長い指で私の頬に触れた。触れる直前に、その手のひらに剣だこができていることに初めて気がついた。
「どうして……」
殺されてもいいだなんて。どうしてまだ出会ってまもない私に対してそんなことを思うの?
「お前は、正直者だから。だから、好きだよ」
「え……」
好き?
自分を殺そうとする女のことが好きですって?
自分の耳を疑っているうちに、形の良い唇が次の言葉を紡ぐ。
「この国の者は、みんな俺に媚びへつらう。産まれた時からそうだ。本当は俺のことを殺したいほど憎んでいても、大好きなフリをする。俺はそういう人間ばかり見てきた」
澄んだブルーの瞳が、寂し気に揺らぐ。