朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
エドガーが自分で面倒見ちゃうくらいお花が好きだなんて。国政のことや戦いのことばかり考えている人だと思っていたけど、そうでもないのね。
「温室……見たいな」
ぽそっと口からそんな言葉が零れた。
「陛下の許可がなければ、近づくことすらできません」
ルーシアはきっぱりと言う。勝手に近づくなと、私に釘を刺しているみたい。
「わかってる。勝手に乗り込んだりしない」
きっとその温室は、エドガーが国王という地位のことを忘れてのんびり和むプライベートな場所なんだろう。そんな場所に土足で入り込むほど、鈍感じゃない。
「それにしたって、やっぱり暇だわ~」
うーんと伸びをした。ずっと宮殿の中じゃ息がつまりそう。
「じゃあ、綴りや歴史を勉強したらどうだ。次期王妃」
突然かけられた声にびっくりして振り返る。するとそこには、薄いシャツに楽そうなズボンのエドガーが。片手には剣を持っている。首元にうっすらと汗をかいていて、それが妙に艶めかしい。
「へ、陛下」
意地悪そうに笑っている。たしかに私、どうせ国王を暗殺するのだからと、こっちに来てからかなり勉強をずるけていたかも。