嘘から初めて1ヶ月
私は昼休みに隣の席の高本に話しかけた。
「今日の放課後体育館前に来て」
高本はちょっと驚いた顔をして笑った。
「なに、俺リンチでもされんの」
「なに寝ぼけたこと言ってんのよ」
リンチというか、いじられの最高潮みたいなもんだな、と心の中で言った。
「まあ暇だからいいけど」
「ありがと、期待してて」
「やっぱり怪しいわ」
そのとき隣のクラスの紗奈に呼ばれた。
私は高本に向けてバーカと口パクをして彩羽の元へ向かった。
彩羽は開口一番、高本のことについて聞いてきた。
「高本にコクるんでしょ?今まで高本が好きなんて話、真美から聞いたこともなかったからびっくりした」
「え、嘘!そんな風に伝わってんの?」
「コクると言ったらそんな風もこんな風もこれしかないでしょ。」
(やっぱりなんか勘違いされてたのか)
みんなにそれで伝わってると考えたらちょっと気分が悪くなった。
撤回しようと思ったけどやめた。
騙すならそっちのほうが最後までバレないかな、と思って彩羽の言葉を放置した。
すると彩羽の顔が一瞬歪んですぐに笑顔になった。
「真美が人のこと好きになるなんて…。驚きもあるけど嬉しい」
「意味わかんないし、どの立場でもの語ってるのよ」
「うーん、親友?」
親友という言葉にドキッとした。
私は友達は「友達」としか見ていないから「親友」というカテゴリが脳内になかった。
でも否定したら気の毒だから「うん、わかった」と言った。
やっぱり私は特定の個人を「特別」として扱うのに向いていないのかもしれない。
「今日の放課後体育館前に来て」
高本はちょっと驚いた顔をして笑った。
「なに、俺リンチでもされんの」
「なに寝ぼけたこと言ってんのよ」
リンチというか、いじられの最高潮みたいなもんだな、と心の中で言った。
「まあ暇だからいいけど」
「ありがと、期待してて」
「やっぱり怪しいわ」
そのとき隣のクラスの紗奈に呼ばれた。
私は高本に向けてバーカと口パクをして彩羽の元へ向かった。
彩羽は開口一番、高本のことについて聞いてきた。
「高本にコクるんでしょ?今まで高本が好きなんて話、真美から聞いたこともなかったからびっくりした」
「え、嘘!そんな風に伝わってんの?」
「コクると言ったらそんな風もこんな風もこれしかないでしょ。」
(やっぱりなんか勘違いされてたのか)
みんなにそれで伝わってると考えたらちょっと気分が悪くなった。
撤回しようと思ったけどやめた。
騙すならそっちのほうが最後までバレないかな、と思って彩羽の言葉を放置した。
すると彩羽の顔が一瞬歪んですぐに笑顔になった。
「真美が人のこと好きになるなんて…。驚きもあるけど嬉しい」
「意味わかんないし、どの立場でもの語ってるのよ」
「うーん、親友?」
親友という言葉にドキッとした。
私は友達は「友達」としか見ていないから「親友」というカテゴリが脳内になかった。
でも否定したら気の毒だから「うん、わかった」と言った。
やっぱり私は特定の個人を「特別」として扱うのに向いていないのかもしれない。