本当に好きなら。
本気 1
まだ暖かいこの時期にわたしたちは出会った。

彼はこの出会いを«運命»と言った。

出会ってすぐにわたしたちは手を繋ぎ、キスをして、そしてひとつになった。

夜があけて、目を覚ますと〝わたし〟はいなくなっていた。

彼はわたしを探し回った。

走っても走っても彼は〝わたし〟に追いつけず、わたしたちは離ればなれになった。

それは、15歳。

中学3年生。

それから2年の月日が流れた。

わたしは17歳で、高校2年。

普通に楽しい人生を歩んでいた。

そんなある日。

わたしたちはまた、«運命»という名のものに出会ってしまった。
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