エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
「遅かったわね!と言いたい所だけど、どうやら私の待ちわびているおみやげがありそうね。聞かせて!」
と美佐子が言うと、黒沢は自信ありげに笑みを浮かべた。
「はい。ではワインをいただきながら、お話しします。」
「どうそ。アナタが来るのを待っていたわ。」
時間はもう深夜二時近くになっていた。
「まず、何から話せばいいか…」
普段、冷静沈着な黒沢がせわしくなる程の収穫なのかと、美佐子は気分が高揚した。
「やはり旦那の死後、弥生、勇、火菜の三人はここを出ていくつもりの様です。でも、三人で抜け出すのは不可能だと思います。そこで、三人を手引きするものがいるはず!と思って、旦那の病院の見舞い客を洗ったんです。」
(さすが黒沢ね。)
「そしたら、分かりました。誰だと思います?なんと源のヤツでした。」
「源がなぜ?確かに中条の手下ではあるけど、私たちを敵に回すつもりなの?」
「私も意外だったのですが、源が知り合いの施設に入れてくれるように頼んでいるとウラが取れました。」
「そう!じゃあ間違いないわね。」
美佐子は思わぬ敵の出現に益々、気合いが入るのだった。
と美佐子が言うと、黒沢は自信ありげに笑みを浮かべた。
「はい。ではワインをいただきながら、お話しします。」
「どうそ。アナタが来るのを待っていたわ。」
時間はもう深夜二時近くになっていた。
「まず、何から話せばいいか…」
普段、冷静沈着な黒沢がせわしくなる程の収穫なのかと、美佐子は気分が高揚した。
「やはり旦那の死後、弥生、勇、火菜の三人はここを出ていくつもりの様です。でも、三人で抜け出すのは不可能だと思います。そこで、三人を手引きするものがいるはず!と思って、旦那の病院の見舞い客を洗ったんです。」
(さすが黒沢ね。)
「そしたら、分かりました。誰だと思います?なんと源のヤツでした。」
「源がなぜ?確かに中条の手下ではあるけど、私たちを敵に回すつもりなの?」
「私も意外だったのですが、源が知り合いの施設に入れてくれるように頼んでいるとウラが取れました。」
「そう!じゃあ間違いないわね。」
美佐子は思わぬ敵の出現に益々、気合いが入るのだった。