エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
美佐子の中では忘れていた存在にしたかった。
けれど、望は、この家で火菜を生み、そして弘輔を生んだ。
本当は感謝してもしたりないぐらいの気持ちを持っていいのだろうが、望という女を思いだした時、美佐子は、吐き気すら覚えた。
責任感が強くて、意志を貫く強さ、美佐子が大嫌いなタイプだ。
でも、だからこそそんな望だから、火菜たちのために何かしようとしているのでは…。
「いいわ!黒沢。またしても大手柄よ。」
「ありがとうごさいます。旦那が亡くなったら、望にも見張りをつけますかね!」
「悪いけど、また今夜中に動いて、望をマークして」
「はっ?今からですか?」
黒沢は戸惑うと、
「本当はアナタにゆっくりお礼がしたいけど、事情が変わったわ!明日からもっと忙しくなるわよ!」
「いよいよ決行ですか?」
「そうよ!今夜『核』のボタンを押すわ!」
美佐子はそう言うと、ケータイで電話をかけた。
けれど、望は、この家で火菜を生み、そして弘輔を生んだ。
本当は感謝してもしたりないぐらいの気持ちを持っていいのだろうが、望という女を思いだした時、美佐子は、吐き気すら覚えた。
責任感が強くて、意志を貫く強さ、美佐子が大嫌いなタイプだ。
でも、だからこそそんな望だから、火菜たちのために何かしようとしているのでは…。
「いいわ!黒沢。またしても大手柄よ。」
「ありがとうごさいます。旦那が亡くなったら、望にも見張りをつけますかね!」
「悪いけど、また今夜中に動いて、望をマークして」
「はっ?今からですか?」
黒沢は戸惑うと、
「本当はアナタにゆっくりお礼がしたいけど、事情が変わったわ!明日からもっと忙しくなるわよ!」
「いよいよ決行ですか?」
「そうよ!今夜『核』のボタンを押すわ!」
美佐子はそう言うと、ケータイで電話をかけた。