エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
「あら!先生!?今夜は当直でしたね。ハイ。朝方、主人にスペシャルな点滴をお願いします。……ではヨロシク。」
思ったより、簡単な電話に黒沢が不思議顔をしているので、美佐子は、おかしくなって
「今日ねー病院で会った時に打ち合せしておいたのよ。」
と言った。
(しかし、これは殺人の依頼と、そして受注ではないか!?金の力だけでそう簡単に医師は危険を犯すか?)
黒沢が考えていると、
美佐子は言った。
「そりゃあいくらお金を積んでも、なかなか手を汚す医者はみつからないでしょうね。」
「はい。」
「中条の担当医の吉永は、私の高校の時のクラスメートなの。中条は知らないけどね。かなりイカレた奴で、学生時代からヤバかったけど、医大生になってからはそれが益々増長してね…。吉永は人を切り刻むのが好きなのよ。だから外科医になったけど、オペってそんなにしょっちゅうはないでしょう?」
「そうですね…」
「それでも、もう手術しても助からない人を騙してオペしたり、大手術に耐えられない年寄りを無理矢理オペして死なせたりしたの。何人もね!」
思ったより、簡単な電話に黒沢が不思議顔をしているので、美佐子は、おかしくなって
「今日ねー病院で会った時に打ち合せしておいたのよ。」
と言った。
(しかし、これは殺人の依頼と、そして受注ではないか!?金の力だけでそう簡単に医師は危険を犯すか?)
黒沢が考えていると、
美佐子は言った。
「そりゃあいくらお金を積んでも、なかなか手を汚す医者はみつからないでしょうね。」
「はい。」
「中条の担当医の吉永は、私の高校の時のクラスメートなの。中条は知らないけどね。かなりイカレた奴で、学生時代からヤバかったけど、医大生になってからはそれが益々増長してね…。吉永は人を切り刻むのが好きなのよ。だから外科医になったけど、オペってそんなにしょっちゅうはないでしょう?」
「そうですね…」
「それでも、もう手術しても助からない人を騙してオペしたり、大手術に耐えられない年寄りを無理矢理オペして死なせたりしたの。何人もね!」