エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
「あのね。アンタも分かってると思うけど、あの子は私が生んだから火菜の弟だけど、その事は誰にも言ってはいけないよ!絶対に!!いい約束出来る?」

(どうして?どうしてダメなの?)

 火菜は聞きたかったが、
 望の気迫に押され、

「うん。できるよ。だれにもいわない。」

と、返事した。

すると、望は、

「アンタたちのために、これだけは言っておくけど…いつもアンタたちを殴るおじちゃんって怖い?」

「うん。こわいよ。」

「そうだね。でも火菜がいつも遊んでるロールプレイングゲームと同じなんだよ。」

 火菜は思いがけずに、自分の夢中になっているゲームの例え話をされたので、興味深々で返事をした。

「えーっ!?なんでゲームと一緒なの?」
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