エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》

この世にいないから、戸籍があるのだろうが、その先を聞くのが怖い火菜だった。

「フリースクールに行く事が決まり、油断していたと両親は悔やんでるよ、今も。」

「しかし、知人の法事でどうしても二人で行かなければならなかったらしい。」

「両親は、未来さんを一人で置いて行くのは心配だから祖母に来てもらおうか？と、未来さんに言ったが、未来さんは、一人で大丈夫だよ。心配しないで。と、元気に言うので両親は未来さんを一人で留守番させたらしい。」

「そして二人は車で出かけたが、おそらく、その姿を見ていたものがいたんだろう。」

「　これを悪魔に教えた。あーなんか話してるうちに腹が立ってきたよ。今から、悪魔と呼ぶよ。」

「うん。私も腹が立ってしょうがないよ。」

「そして悪魔たちは未来さん宅に侵入した。そこで未来さんを袋にして、みんなで罵声を浴びせ掛けた。」