エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
それぞれの想い!
数日後、弥生は中条の病院を訪ねていた。
勿論、この事は誰も知らない。
普段から誰とも話さない弥生の事を気に掛ける者はいなかった。
三度の食事は、時間通りに運ばれるので、その時、部屋にいれば何も問題なかったのだ。
仮に、弥生が部屋にいない事に誰かが気付いても、どうせ庭に出て、花でも眺めているのだろうとしか思わない。
さすがに、堂々と正門から出る勇気はなかったが、外に出る事じたいが18年ぶりなのだ。
弥生の胸は高まっていた。
しかし、中条に私の想いが伝わるだろうか。
それに、病室に誰がいたら絶対に入れない。
今日の訪問が、無駄足にならない事を願って、自動ドアから玄関を入っていった。
勿論、この事は誰も知らない。
普段から誰とも話さない弥生の事を気に掛ける者はいなかった。
三度の食事は、時間通りに運ばれるので、その時、部屋にいれば何も問題なかったのだ。
仮に、弥生が部屋にいない事に誰かが気付いても、どうせ庭に出て、花でも眺めているのだろうとしか思わない。
さすがに、堂々と正門から出る勇気はなかったが、外に出る事じたいが18年ぶりなのだ。
弥生の胸は高まっていた。
しかし、中条に私の想いが伝わるだろうか。
それに、病室に誰がいたら絶対に入れない。
今日の訪問が、無駄足にならない事を願って、自動ドアから玄関を入っていった。