エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
(みはられている。)
弥生は、廊下に潜む人間がいる事を感じていた。
今夜また、12時を回れば勇が訪ねてくるだろう。
昼間、家を出る前にそっと耳打ちしておいたので、間違いなくやってくる。
結局は、私も自分のロケットペンダントの中に、紙切れを挟み込んでいた。
そして、青いペンダントは勇へ。
この火菜の母の住所を書いた紙を挟んだペンダントは、勇から火菜へと渡してもらうつもりだったが、どうだろう…成功するだろうか?
でも、迷っている場合じゃない。
本当はどちらも、直接、火菜に渡せればいいのだが、それでは相手は余計に警戒心を強くするだろう。
勇だからという油断に付け入るしか道はない。
弥生は、廊下に潜む人間がいる事を感じていた。
今夜また、12時を回れば勇が訪ねてくるだろう。
昼間、家を出る前にそっと耳打ちしておいたので、間違いなくやってくる。
結局は、私も自分のロケットペンダントの中に、紙切れを挟み込んでいた。
そして、青いペンダントは勇へ。
この火菜の母の住所を書いた紙を挟んだペンダントは、勇から火菜へと渡してもらうつもりだったが、どうだろう…成功するだろうか?
でも、迷っている場合じゃない。
本当はどちらも、直接、火菜に渡せればいいのだが、それでは相手は余計に警戒心を強くするだろう。
勇だからという油断に付け入るしか道はない。