H ~ache~
触れられるところが熱く、ザワザワと何かがせりあがってくるような感覚に、経験のない環は自分がおかしいと感じていた。

「や、おかしくなっ…」

「素直に受け入れればいい…」

「こわ…」


環を抱き起こすと、早瀬は膝の上に環を抱きあげて頬に唇を寄せて宥めた。

「怖くない…」

滑らかな肌はいつまででも撫でていたくなる。
片手で頬を包むと、一方の手を背中に滑らせた。

背を反らせ、愛撫から逃れようとした環の胸の頂を軽く食むと小さな声を上げた。
そのまま環を見ると、潤んだ瞳が自分を見下ろしており、扇情的な光景が早瀬をいきり立たせた。

「は…んっ」

“初めてだから”そう言いかけたが、頬を撫でていた早瀬の指が自分の口に差し入れられた。

(やだ、恥ずかしい…)

恥ずかしいと思いながらも指で舌を愛撫されると無意識にそれに応えて自ら早瀬の指に舌を絡ませていた。


再びベッドへ押し倒され肌に口付けられ、愛撫され、丁寧に解されていった。

半ば朦朧としていた環は、自分の膝を持ち上げられるのを見て体を強ばらせた。

(イヤ…)

蜜口に長い指が宛がわれ、ツプリと中へ沈められた。

「狭いな…」

「やめて…」

(恥ずかしい…)

奥深くに沈められた指は卑猥な水音をたて、環はその音を聞いて首を横に振った。

「や、イヤ…」

「ココは嫌とは言っていないようだが?」

(嘘、こんなの…)

奥まで届いた指が中で蠢き、環は快感に抗おうと身を捩りシーツを掴んだ。

「環」

早瀬が名を呼び片方の手で環の強く握った指を解して自分の手を握らせた。

「ヤ、アァッ」

中を擦り上げられ、早瀬の手を握り沸き上がる快感に耐えた。

「我慢するな」

(そんなこと…)

不意に指が抜かれ、荒い呼吸を繰り返していた環はぐったりと体の力を抜いた。

繋がれていた手が環の頬を滑り、その手に頬を寄せると唇が重ねられた。

差し入れられた舌を受け入れ、愛撫に応えた。
早瀬の膝で足を開かれたがキスに酔っている環は素直に従った。

「っ?」

ソコにピタリと宛がわれたとき、環は我にかえった。
クチュクチュ、と音が響き環は先程まで指が入っていた入口が早瀬のモノで擦られているのを感じた。

(初めてと言えてない)

「…アアッ」

伝えようとした瞬間、指とは比べ物にならない質量が挿れられ、小さな叫び声をあげた。

「イタ、イヤ!」

(痛い!何!?こんなの…)

痛みで見開かれた目からポロポロと涙が零れ、早瀬は唇で涙を掬うと優しく唇を重ねた。

先程までとは違う、優しいキスに環は早瀬の背に腕を回してしがみついた。

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