完全防備の渚くん
謝るくらいなら昼休み絡んでこないでよ…
俺がそういう思いを込めて睨むと、
小倉さんはビクッと怯えたように縮こまった。
「…知りたかったの、本当に!
渚くんのことを!
それだけなの!」
「じゃあもっと普通に話しかけるなりしたらいいじゃん」
「それじゃ…それじゃダメなんだよぉぉ…うわーん…っ」
はぁ!?また泣き出した!
うざ!!!
「それじゃあ聞こえないんだもんっ、
ヘッドホンしてるから聞こえないんだもん!
目の前で手を振っても、ラノベ読んでるから気づかないんだもん!!
だって渚くん、完全防備なんだもん!!」