完全防備の渚くん
小倉さんは幼稚園児みたいな人だ。
詳しい性格は知らないが、
小さくて元気でとにかくうるさい。
ショートカットの明るい髪がよく似合い、みんなに好かれている、いわば俺と正反対の人。
その小倉さんが、最近、俺の至福のひとときを、
俺の名を呼ぶ大爆発音とともに邪魔してくる。
「な、何!」
俺がヘッドホンを外してそう言うと、
「お、喋ったー!」
と感動したように手を叩く。
…バカにしてるのか?
俺だって喋る。
人間だもの。なぎを。