LoveGame
『…沙希
苦手だったら言ってね』






「えっ?」






映し出された映画







ホラーか








怖いわけない



そんなんより 悲惨な世界にいた私だ










「……ったぶん
大丈夫……だと思う」







五十嵐は電気を消して、私の横に移動し 画面を見た





映画も中盤に差し掛かる





怖がるふりをして

五十嵐のシャツの裾を摘んだ









『怖い?
止めようか?』





っと聞くが
ブンブンと首を振ると
私の手を握った







そのまま見つめ合うと




ゆっくりと唇を重ねた







ただ触れるだけのキス






離れると 私は俯く



まるで処女の様に







『…沙希…』






そう呟くと私をゆっくり引き寄せ 抱きしめた










暗い部屋の中

TVからは悲鳴が聞こえていて










なんだこのシチュエーション

恋愛ドラマかよ



笑いを堪えてた










これからきっと五十嵐とヤるんだろうなと思って




ゆっくり顔を上げる




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