未知の世界5
体調管理
毎週訪れる外来…。
初診患者の対応で、夜はカルテ整理が終わって時計を見ると、8時は超えることが多くなった。
初診患者は増える一方。
再診にくる患者は私以外の先生のところに行くかと思っていたら、狙っていたように私のところにくる。
もちろん素早い診察は、私にはまだできないから、同じ日に外来をする早川先生が私の倍のスピードで処理してくれるけど。
毎週の外来が毎回訪れることを、どこか嬉しく思えなくなっていた。
「さてさて、今日は何人の患者さんが来るかなぁ。」
隣の診察室で面白そうに話す早川先生の声が聞こえる。
外来の看護師が扉を開けると、待合から子供の泣き声や親の喋る声が騒がしく聞こえていた。
こんな状態が一ヶ月続いた。
町医者のクリニックの患者を取る訳ではなかったが、結果的にはそうなってしまっている。
上層部と医師会が話し合い、インターネットでの担当医の公表は中止することになり、全ての医者がランダムで外来に入ることが決まった。
それは他の先生も納得してくれた。
最初の頃は、みんな私の初診患者の登録数に面白がっていたけど、昼を一時間も超す診察と、毎晩遅くなる姿を見ていると、気の毒と感じたのだろう。
インターネットでの公表は午後の専門医の名前だけの公表となった。
私は午後は担当していない。ベテラン勢がその専門分野に曜日別に振り当てられていた。