未知の世界5

ガチャッ








ドアの音で目を覚ます。






いつのまにか寝てしまったようだ。







「え?かなちゃん?」








進藤先生が驚いた顔で立っている。







『あ、あの、早く起きちゃったので、朝ご飯の準備してただけですっ‼︎』







なぜか進藤先生の表情がいつもと違っていたので、怒られる気がして、言い訳のように言ってしまった。








「大丈夫?寒くない?」









気づくとそばにいて、私の額に手を当てる。








「まぁ、大丈夫か。







朝食なんて作らなくていいから、無理しないで。」








そうは言われても…。








「でも、ありがとう。今日は早く出勤してやりたいことがあるから、いただいて孝治くんより先に出るよ。








脚の方はどう?」








と、私をソファに座らせる。








ズボンを裾から捲られそうになったが、それは自分でやりたいと思い、慌てて裾を上げ、脚を見せる。








慣れた手つきでガーゼを外す進藤先生。









「まぁ、これなら良さそうだよ。







また孝治くんに消毒してもらってね。」










『はい、ありがとうございます。』









「それから、あんまり動かないようにねっ!」







と念押しされると、進藤先生は朝ご飯を食べて家を後にした。
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