未知の世界5
進藤先生が出勤して少しすると、リビングに孝治さんが入ってきた。
「おい、朝から何してんだよ。
まだ病み上がりなんだから寝てろ。」
第一声はおはようの挨拶ではなく、怒られた…。
『お、おはよう、ございます。
あの、しっかり眠れたので、早く目が覚めちゃって…。』
朝食を食べて喜んでもらえると思ってたのに、朝から怒られ落ち込む。
「もっと回復してきてからでいいから。今は無理すんな。」
頭をそっと温かい大きな手で撫でられる。
そんな一つ一つの孝治さんの行動に、胸が高鳴る。
「今日も早く帰れると思うから。何もしなくていいからな。
それから進藤先生は当直だから。」
『分かりました。』
それから朝食を終えた孝治さんは出勤していった。