未知の世界5

「まだ帰ってこない。」






夕方に起きて晩御飯の準備をしたけど、20時になっても孝治さんは帰って来ないので、先に食事を済ませた。









医者という仕事は突然帰れなくなることなんてしょっちゅう。きっと今日も連絡ができないほど忙しいんだろう。









はぁ、早く私も復帰したいな…。














なんて思っていたところに電話の音。










「もしもし。」








『あ、かな。俺だけど。







ごめん、今日は帰れそうにないや。』









「うん、分かってるよ。」








『悪いな、もっと早く連絡できたら良かったんだけど。飯の用意もできなくてごめんな。』








「あ、それは大丈夫っ!」







『ん?もしかして、動いたな?』








「………。」









『じっとしてないと、ヤケドがひどくなるぞ。』








「………。」










『………おい。







まぁいいや。明日親父を朝、そっちによこすから、ちゃんと診てもらえよ。』









「え?いや、大丈夫です、大丈夫です!自分でやりましたからっ!」









あ……









『やっぱり。







あまりにもひどいようなら病院に来いよ。』










「………はい。」









あぁ、バレた。









明日お父さん来るって…。








きっと病院行き…。








ショック。









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