未知の世界5
〜リビングにて
プルルルル
「もしもし、進藤です。」
『もしもし、佐藤です。進藤先生、かなは帰ってきましたか?』
「あぁ、さっき帰ってきて、疲れたようで今は部屋で寝てるよ。」
『そうですか。帰り際に医局に寄ってったんですが、すぐに帰りたいような感じで。今思うと、どことなく顔色がいつもより悪いような気もして…。
勘違いならいいんですけど。』
「そうなんだね。分かったよ。ちょっと様子見てくるよ。」
『すいません、僕もそろそろ上がりますので。』
そう言うと電話を切り、急いでかなの元へ行く進藤先生。
手には体温計と聴診器、血圧計の入ったカバン一式。
孝治がかなのために昔から用意してある診察カバンだ。