未知の世界5
プルルルル
「はい、小児医局、佐藤です。」
『かな先生ですか?三浦りささんの施設の方がおみえになってます。館長さんが部屋にみえていて、先生にご挨拶したいとのことです。』
き、きた……。
違う人だって確信はないけど…分かってはいるけど……。
『先生?先生?もしもーし!』
「……。」
『おいっ!』
ハッとして見ると石川先生に声をかけられていた。
『ホントに大丈夫か?』
「はい…すいません。」
石川先生と電話越しの看護師に声をかける。
「今こちらから向かいますね!」
と受話器を切ると医局を出た。