未知の世界5
一旦休憩
加藤先生が小児科の医局を訪れ、爆弾発言をしていった日の夜、幸治さんにこっぴどく叱られたのは言うまでもなく……。
そしてとうとう久しぶりの検診の日。
朝からどんな結果になるのかという不安が頭をよぎり、ソワソワしていた。
いつものように一般外来の始まる前に、特別に診察室へ入る。
『おはよう、佐藤くん。』
「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」
と、加藤先生と隣にいる石川先生に挨拶をする。
『いや、実はね。僕の出番は今日でおしまいのようなんだよ。
結局、何もしてあげれなくてごめんな。』
え?
すると加藤先生は席を立ち、診察室を後にした。
加藤先生は特に何もしてもらえなかったけど、今日で終わりってことは……。
『おはよう、かなちゃん。』
「きゃっ!!!」
後ろから突然声をかけられ、あまりにも驚いて、声が出てしまった。
きゃっ!なんて、すごい失礼……。
『久しぶりだね!』
ニコニコの笑顔が妙に恐ろしい、お久しぶりねの進藤先生が立っていた。
「お、お、お久しぶりです。すいません、驚いて。」
『いやいや、驚いたのはこっちの方だよ。』
ん?何が?
『僕がやって以来だったみたいだね。検診。』
「そ、そうです。」
『今日の結果が楽しみだね。』
と、未だにその笑顔……。本当に、やめてください。
そして、私の久しぶりの検診が始まった……(;_;)