未知の世界5
幸治さんが小児患者を連れて処置室に入って行くところで、私の方をジッとみている。
あ、これはヤバイ!
咄嗟に体が反応して、慌てて走る。
階段、階段、かいだーん!
幸治さんは追って来る気配がないけど、誰かに連絡してる可能性もあるし。
とにかく走って走ってはしってー!
久しぶりに幸治さんから逃げた自分に、昔を思い出すと、なぜだか心が踊って楽しくなってきた。
このまま、真っ直ぐ家に向かうだけ。
でも、ずっと走ってしまうと息が切れて発作が出てしまうので、ゆっくりと歩いてマンションに着いた。