未知の世界5

マンションから病院まで、終始無言の車内は最悪だった。








病院の玄関に車が着くと、待っていた呼吸器内科の看護師が車椅子を持っていた。







「歩けますよ。」







進藤先生が駐車場に車を置きに行ってすぐ、看護師に伝える。







『いや、でも進藤先生から、必ず車椅子に座ってもらうように言われてますので…。』







私が医者だと知っているのか、気まづそうに答える。







この人を困らせても仕方ないので、出された車椅子に座った。







そして直接入院病棟の個室へ。







やっぱり入院か……。







吸入で全くと言っていいほど順調だったけど、体は正直できっとプロジェクトの疲れなんかが出てるんだろう。







こんなことなら、着替えを持ってくれば良かった。






と思っていると、病院の入院着を看護師が用意してくれた。







『あの、それからこれ。』







そう言われて受け取ったのは冷たいタオル。







きっとさっき叩かれたとこらが腫れているのだろうということが分かった。







まだ熱を持っているのか、頬は熱くミミズ腫れのようにもなっている。







渡された冷たいタオル……、何だか素直に使うのも嫌だ。







渡されたタオルは、看護師が部屋から出て行くと、机の上に置いておいた。




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