未知の世界5
いつになったら退院できるんだろう……。
それから一週間が経った。
貧血の症状は改善されてきた。喘息も落ち着いてきている。
進藤先生に言われた訳ではないけど、最近咳も出ないし、すぐに疲れることもない。
食欲はそこそこ出てきてるけど、まだまだ食べないと……未だに食事の時には抜き打ちで誰かがやってきては、私の食べ終わるのを見てる。
もちろん、見られていても完食できる訳じゃないけど。
『そろそろ、自宅で療養してみようか……。』
いつとのようにボーっとしながら診察を受けていた時、進藤先生が突然呟いた。
「えっ!?本当ですか!?」
『反応早すぎっ。普段もそんな感じで答えてくれたらいいのに。』
そう言われて恥ずかしくなったけど、今は進藤先生からの言葉が嬉しくて、気持ちは既に退院へと向かっていた。
『石川先生と相談してみないといけないけど、自宅で療養できるなら、大丈夫だよ。』
よしっ!これはいける!今度こそ帰れる。
私は退院できるかもしれないことで頭がいっぱいになった。
『その代わり無茶したり体調崩したらすぐ病院に来てもらうからね!』
そこは強く強く念を押され、私は黙って頷いた。