未知の世界5
退院がそろそろと決まってから退院まで、三日間あった。退院できると分かると、その三日間は早く過ぎた。
退院当日…いつもなら幸治さんの迎えになるのだけど、今日はオペが入っていたので一人。
以前に進藤先生が幸治さんに代わって家まで送ってくれたけど、進藤先生は外せない会議がある。
バスですぐだし、辛かったらタクシーで帰ればいいや…と軽い気持ちで考えていた。
「お世話になりました。」
担当してくれた看護師に頭を下げて病棟を後にした。
病院の正面玄関に来ていたバスに乗ると、入院していてどこか気が張り詰めていたのか……。
気づくと眠りについていた。