未知の世界5
静かな時間が流れる。この空気が一番苦手……。私の呼吸する息だけが聞こえて、恥ずかしい。
『はい、口開けて。』
いつの間にか聴診を終えていた進藤先生が、今度は口を覗き込む。
『うん、大丈夫そうだね。
夜に何かあったら、起こしてくれればいいから。』
ん?起こす?
進藤先生を見上げると、
『今日は泊まって行ってもらうことになったから。』
と幸治さん。
う……退院してまで主治医の先生がそばないるなんて……。
『じゃあご飯にしよう!』
と、幸治さんが持っていたビニール袋から何やらお惣菜の入ったパックを取り出した。