未知の世界5
ご飯と言われて今日一日を思い出すと、まともな物を食べていなかった。
幸治さんの買ってきてくれるお惣菜屋さんは、低カロリーで素材の味を生かしたものばかりなので、私でも食べられる物ばかり。
なんでもお店を経営しているご主人が、体の弱くて持病持ちの奥さんのように食事制限のある人にも気軽に食べてもらいたいと言うことで、栄養面なども考えられた惣菜メニューのようだ。
私も仕事で忙しい日には、何度か買いに行ったことがある。
『これとこれとこれは、ちゃんと食べるんだぞ。』
あれこれ考えていると、幸治さんが私のお皿に惣菜を少しずつ入れて行く。
結構ある……けど、今なら食べられるかも。
「いただきます。」
幸治さんも進藤先生もビールが用意できたところで、食事を始めた。