未知の世界5
その日は言うまでもなく、ベッドに入るとすぐに眠りについた。
朝、目を覚ますと幸治さんが出勤の準備をしていた。
『あ、起こしちゃったか?』
眠い目を擦りながら体を起こす。
「いえ、大丈夫です。」
『まだ寝てればいいから。
進藤先生は休みだから、何か困ったら言えよ。』
え……
退院したのに何も変わらないような……。
『あ、それから。メシは進藤先生がやってくれるみたいだから、動かなくていいぞ。』
「い、いや。そういう訳には。」
『動いたらまた病院送りにされるぞ。』
今度は怖い顔で……。
お、恐ろしい……。
今日だけはおとなしくしておこう。
寝室を出て行った幸治さんは、そのまま仕事に向かった。