俺様社長と極甘オフィス
部屋に戻ると社長の姿はなかったことに少しだけ安心してしまった。今日は金本さんと一緒に定例会議に出ている。
私は自分の仕事を再開させようと支度を始めようとした、そのとき部屋の電話が音をたてて鳴ったので反射的に受話器を取る。
「はい、こちらB.C. Building Inc.」
『藤野くん、久しぶり! 元気にしてるかな?』
「しゃ、いえ顧問、お久しぶりです」
こちらの決まり文句を遮るように明るい声が聞こえてきた。電話の相手は社長の父親であり前社長だった正一氏だ。
つい癖で社長と呼びそうになったのを慌てて取り繕うと、電話の向こうで豪快な笑い声が聞こえた。
「どうされたんですか?」
正一氏がここに連絡を寄越すことなんてほとんどない。どんな用件だろうかと尋ねると、聞きなれた笑い声が収まった。
『そうそう。京一に伝言を頼もうと思って。あいつ忙しくて携帯もでないし、折り返してもらうほどのことでもないから。藤野くんから伝言をお願いできるかな?』
「私でよければ承ります」
手元にあったメモ帳にペンを走らせようとスタンバイする。そのタイミングを見計らったかのように正一氏が口を開いた。
『うん、来週の土曜日は私は顔を出せないけど、よろしく頼む。って言っておいてくれ。快諾してくれて感謝している、と』
「かしこまりました」
メモをとったうえで復唱して確認する。そして私はふと頭の中にある社長のスケジュールを思い出した。たしか土曜日は休みを取っていたはずだ。だからこのことはプライベートの案件なのだろう。
私は自分の仕事を再開させようと支度を始めようとした、そのとき部屋の電話が音をたてて鳴ったので反射的に受話器を取る。
「はい、こちらB.C. Building Inc.」
『藤野くん、久しぶり! 元気にしてるかな?』
「しゃ、いえ顧問、お久しぶりです」
こちらの決まり文句を遮るように明るい声が聞こえてきた。電話の相手は社長の父親であり前社長だった正一氏だ。
つい癖で社長と呼びそうになったのを慌てて取り繕うと、電話の向こうで豪快な笑い声が聞こえた。
「どうされたんですか?」
正一氏がここに連絡を寄越すことなんてほとんどない。どんな用件だろうかと尋ねると、聞きなれた笑い声が収まった。
『そうそう。京一に伝言を頼もうと思って。あいつ忙しくて携帯もでないし、折り返してもらうほどのことでもないから。藤野くんから伝言をお願いできるかな?』
「私でよければ承ります」
手元にあったメモ帳にペンを走らせようとスタンバイする。そのタイミングを見計らったかのように正一氏が口を開いた。
『うん、来週の土曜日は私は顔を出せないけど、よろしく頼む。って言っておいてくれ。快諾してくれて感謝している、と』
「かしこまりました」
メモをとったうえで復唱して確認する。そして私はふと頭の中にある社長のスケジュールを思い出した。たしか土曜日は休みを取っていたはずだ。だからこのことはプライベートの案件なのだろう。