俺様社長と極甘オフィス
「突然、すみません。京、いえ社長はいらっしゃるかしら?」
現れたのは、五十、いや四十代?くらいの綺麗な女性だった。社長の知り合いだろうか。私にとっては初対面だ。
「あの」
「懐かしいわ。あまりここも変わってないのね。京一くんの秘書さんかしら?」
私が何か言う前に女性は部屋に踏み込むと、辺りを見回した。そして、質問する前に尋ねられ、私は急いで頭を下げる。
「はい。藤野七海と申します」
自己紹介をしたところでようやく女性の正体がおぼろげに分かってきた。この人はおそらく――。
「藤野さんね。はじめまして、正一さんの元秘書であり、元妻でもある倉木美代子(みよこ)です」
少女のような笑顔で告げられた内容は、私の予想通りのものだった。しかし、彼女がどうして突然、ここを訪れたのかはまったく予想がつかない。
珈琲を淹れると、美代子さんはありがとう、とお礼を告げてくれた。優しい笑みを浮かべて気品が漂う身のこなし、肩までかかる濃いめの長いブラウンの髪が豊潤に揺れる。
レース使いのカットソーにジャケットを羽織り、スカートから伸びる脚はモデルさながらのポーズで綺麗に揃えられていた。
社長や倉木さんからまた聞きしただけの存在ではあるが、そんな人と今ふたりで社長室にいるのはなんとも奇妙だ。美代子さんは一口カップに口づけてたからおもむろに話し始めた。
現れたのは、五十、いや四十代?くらいの綺麗な女性だった。社長の知り合いだろうか。私にとっては初対面だ。
「あの」
「懐かしいわ。あまりここも変わってないのね。京一くんの秘書さんかしら?」
私が何か言う前に女性は部屋に踏み込むと、辺りを見回した。そして、質問する前に尋ねられ、私は急いで頭を下げる。
「はい。藤野七海と申します」
自己紹介をしたところでようやく女性の正体がおぼろげに分かってきた。この人はおそらく――。
「藤野さんね。はじめまして、正一さんの元秘書であり、元妻でもある倉木美代子(みよこ)です」
少女のような笑顔で告げられた内容は、私の予想通りのものだった。しかし、彼女がどうして突然、ここを訪れたのかはまったく予想がつかない。
珈琲を淹れると、美代子さんはありがとう、とお礼を告げてくれた。優しい笑みを浮かべて気品が漂う身のこなし、肩までかかる濃いめの長いブラウンの髪が豊潤に揺れる。
レース使いのカットソーにジャケットを羽織り、スカートから伸びる脚はモデルさながらのポーズで綺麗に揃えられていた。
社長や倉木さんからまた聞きしただけの存在ではあるが、そんな人と今ふたりで社長室にいるのはなんとも奇妙だ。美代子さんは一口カップに口づけてたからおもむろに話し始めた。