俺様社長と極甘オフィス
「ご結婚、おめでとうございます」
「ありがとうー。そんなこと言ってもらえるなんて。息子なんて『バツ四になるのだけはやめろよ!』しか言わないんだもん。でも、しょうがないか。あなたは恋人はいるの?」
まさかの質問のパスに、驚きつつも私は冷静に返した。
「いいえ」
「あら、残念。私が言うのもなんだけど、恋しなさい。恋はいいわよー。大人になると色々なことを考えてしまうけれど、先のことなんて誰にも分からないんだし、絶対なんてないんだから。そのときの自分の気持ちを一番大事にしなさい」
まぁ、離婚を三回もしている私が言うセリフでもないけれど、と付け加えられ、私はつい笑ってしまった。
「はい、ありがとうございます」
自分の気持ちを肯定してもらえた気がして、私は少しだけ心が軽くなった。この気持ちを社長に伝えるのは、迷惑なことで自分の中でなんとか折り合いをつけなくてはならない。
けれど、この社長を想う気持ち自体は大切にしてもいいんだ。
話が一段落したところで、私はせっかくなので、美代子さんにパスワードの件と前一氏のことについて尋ねてみた。すると美代子さんは、なにかを思い出すように視線を上空に漂わせる。
「そうねぇ、京一くんに関わることじゃないかしら」
「社長、ですか?」
「そう。前一さまは、正一さんを通り越して京一くんをすごく可愛がっていたからね」
「ありがとうー。そんなこと言ってもらえるなんて。息子なんて『バツ四になるのだけはやめろよ!』しか言わないんだもん。でも、しょうがないか。あなたは恋人はいるの?」
まさかの質問のパスに、驚きつつも私は冷静に返した。
「いいえ」
「あら、残念。私が言うのもなんだけど、恋しなさい。恋はいいわよー。大人になると色々なことを考えてしまうけれど、先のことなんて誰にも分からないんだし、絶対なんてないんだから。そのときの自分の気持ちを一番大事にしなさい」
まぁ、離婚を三回もしている私が言うセリフでもないけれど、と付け加えられ、私はつい笑ってしまった。
「はい、ありがとうございます」
自分の気持ちを肯定してもらえた気がして、私は少しだけ心が軽くなった。この気持ちを社長に伝えるのは、迷惑なことで自分の中でなんとか折り合いをつけなくてはならない。
けれど、この社長を想う気持ち自体は大切にしてもいいんだ。
話が一段落したところで、私はせっかくなので、美代子さんにパスワードの件と前一氏のことについて尋ねてみた。すると美代子さんは、なにかを思い出すように視線を上空に漂わせる。
「そうねぇ、京一くんに関わることじゃないかしら」
「社長、ですか?」
「そう。前一さまは、正一さんを通り越して京一くんをすごく可愛がっていたからね」