ある夜のお話。

…決して嫌なわけではないけれど、気付いてこのままなのはよくないでしょ。

誰にとってよくないのか、なんてその時の私には分からなかった。

一向に離れる気配を見せない君は、本当に寝てしまったのかもしれない。

私は寝返りを装い、君の唇から逃げるように向きを変えた。

君は、また私の頭を抱き寄せた。


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