奥寺くんの第2ボタン〜続編〜
しばらく奥寺くんに手を引かれて着いたのは
見覚えのない公園
人があまりいなくて静かだ
…内くん…大丈夫かな
置いてきちゃった…。
そんなことを思っていると
「あの人彼氏…?」
と前から奥寺くんの低い声が聞こえてきた
「違うよ…高校で初めてできた友達」
「そっか…」
手は繋がれたままだけど
奥寺くんは私に背を向けたまま
しばらく黙ると…
ゆっくり振り返った
「ずっと会いに行けなくてごめん
俺が会いに行くって言ったくせに
ずっと行けなくてごめん」
そう言われて私に湧き上がってきた感情は…
悲しみでも怒りでもなんでもない
喜び
あの日のことを覚えていてくれたことへの喜び…。