奥寺くんの第2ボタン〜続編〜



私だけが覚えていたわけじゃなかった



諦めかけてた



やっぱり私のことなんかって…。




そう思うと蓋をして閉じ込めていた気持ちが溢れだすのが分かった





「本当は何度も会いに行ったんだ…初めは高校生になってすぐ」


「え…?」


「だけどさっきの人と…葉山さんが楽しそうに話してたから…

俺声かけれなくて…引き返した。
じゃあそれからも引き返してばっかで」

「なんで…」

「自信なかったんだ…

ボタンを渡した時だって遠回しに告白して
断られるのが怖くて逃げた」





いつも人気者でニコニコしていた


奥寺くんとは違う



今は本当に自分に自信がない


私を見ているようだった




お互いすれ違っていたのかな



自分に自信を持てなくて


勇気もなくて




「会いに行くなんて言ったけどさ

実際行ったら迷惑がられるんじゃないかとか
あの男の子とうまくいってたら邪魔になるじゃんとか思ったりもして
いつも引き返してた」



でもこうして今



奥寺くんとはやっと会えたんだ



残った距離は後少し



次は私の番だ






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