奥寺くんの第2ボタン〜続編〜
なのに…
奥寺くん…じゃなくて俊哉は一向にこっちを向かない
「…俊哉?」
「ちょっとタイム
今俺やばいから」
あ…
私は気づいてしまった
背を向けて表情はわからないけど
でも1つ分かる
背を向ける俊哉の耳が真っ赤なのが
「ふふ、すぐ赤くなるね」
「嬉し恥ずかしいんだよ」
「私も」
そう言うと真っ赤な顔のまま振り返った俊哉
「抱きしめていい?」
なんて私までも赤くなるようなことを言う
そして私が「いいよ」と頷くよりも先に
俊哉の手が伸びてきたかと思うと
私は俊哉の腕の中にいて
俊哉の早い心拍数が伝わってきた
暖かい
「今日からずっと下の名前で呼んでね」
「うん、わかった」
「もう雫が好きすぎてやばい」
「う、うん…私も俊哉が好きだよ」
「今日は帰さないからね」
「え!?」
『奥寺くんのお家にて』end